『日光CCは夢舞台』
日光東照宮 宮司 稲葉 久雄
ゴルファーならば、一度は経験してみたいのがホールインワンです。いささか自慢話になりますが、私は平成19年7月5日、夢にまで見たホールインワンを達成しました。
「夢舞台」となったのは、当時(昭和62年)、ゴルフ歴10年で私の入会を認められた国内屈指の名門ゴルフ場「日光カンツリー倶楽部」です。そこでは、平成15年に「第68回日本オープンゴルフ選手権競技」が開催され、それを祝して東照宮は、昭和天皇陛下より下賜された楓の種子から育てた成木を記念樹として寄贈しました。それが現在、倶楽部のスターティングホール脇に植えられている、あの紅葉が美しい樹木です。
さて、当日は梅雨の合間に青空がのぞく天候の下で、一緒にラウンドして下さった仲間は、東照宮の祭事等に積極的なご奉仕をされている崇敬者の方々……。まさしく天を味方にし、地の利と人に恵まれた試合展開になりました。
「快挙の瞬間」は午後2時35分。ホールは16番。距離は179ヤード。5番アイアンで無心にクラブを振るう。軽くフェードがかったスーパーショットのボールはグリーンをとらえた後、ピンへ寄って視界から消えてしまいました。
期せずして前組で見ていた人たちから「ワー」「オー」との歓声が上がる。もしや、と打球の方向を見守っていた私は、その時に初のホールインワンの達成を確信することになります。
満面の笑みをたたえてホールへ向かうと、駆け寄ったメンバーたちから「おめでとう」「見事なショット」と祝福されました。あの時は胸が高鳴り、爽快感がマックスに。ちなみにスコアーのトータルは91。優勝のおまけが付きました。
ゴルフの魅力にひたり45年間。仕事一筋の私にとって、ゴルフに向き合うと無心になり、心身ともにリフレッシュされますが、グリーンはラウンドする人たちとの新しい出会いの場でもあります。私にとってはまさにゴルフは生涯スポーツであり、日光カンツリー倶楽部は夢を叶える舞台と言えます。
その私は、宮司職のかたわら平成19年より倶楽部オーナーの日光ゴルフ(株)代表取締役の大役を仰せつかり、はからずも現在4期目。当ゴルフ並びに倶楽部にとっての今年最大の行事は、7月に開催される「第88回日本プロゴルフ選手権大会」です。各選手が一打にしのぎを削り合う名勝負を繰り広げられるよう、大会を成功裡に運ぶことです。関係者の一人として微力を尽くして参ります。了
(令和2年2月3日)